まずはよくある誤解を解消:この5つの思い込みは日本では危険です経験
誤解その1:緊急地震速報がうるさいので、初めて聞いたときに止めたくなる
多くの留学生は、スマートフォンやテレビから突然鳴り出す耳をつんざくような「緊急地震速報」を初めて聞くと、「うるさい、誤報ではないか、切ってしまおう」と反射的に思いがちです。しかし、それでは命を救う数秒から数十秒を失うことになります。緊急地震速報は、地震の初期微動(P波)が、破壊的な大きな揺れを起こすS波より速く伝わることを利用し、気象庁が大きな揺れの到達より数秒から数十秒早く警報を配信する仕組みです。音を切るのではなく、すぐに頭を守り、頑丈な机の下に隠れてください。スマートフォンの「緊急速報/エリアメール」は初期設定でオンです。うるさいからと切らず、オンのままにしてください。
注意直下型地震では、震源の真下に近い場所へ揺れが始まる前に速報が届かないことがあります。警報が鳴った時点ですでに揺れが始まっていることもあります。内容を先に見るのではなく、聞こえたらすぐ頭を守ることが大切です。
誤解その2:津波警報が鳴ったら、まず家に物を取りに戻る/海を見てから考える
津波で最も命に関わるのは水だけではなく、「正常性バイアス」――「きっと大丈夫、まだ間に合う」と思い込んでしまうことです。気象庁と各自治体の鉄則は、津波警報が出たら直ちに徒歩で高い場所へ避難することです。荷物を取りに家へ戻らない、渋滞で動けなくなるおそれがあるため車を使わない、海辺や川辺を見に行かないでください。2011年の東日本大震災では、津波を見てから逃げ始めたため、間に合わなかった人が多くいました。津波は川沿いにも遡上します。
注意第一波が引いたからといって安全ではありません。津波は何度も来ることがあり、後の波のほうが高い場合もあります。警報・注意報が解除されるまで、低い場所へ戻らないでください。
誤解その3:台風の警報が出ても「もう少し様子を見よう」と考え、深刻になってから避難する
日本の災害情報には「警戒レベル1~5」があります。避難指示を「行っても行かなくてもよい助言」と受け取って様子を見るのは危険です。警戒レベル4の「避難指示」は、対象地域の全員が危険な場所から直ちに避難する段階です。警戒レベル5の「緊急安全確保」は、すでに災害が発生した、または切迫している状況です。レベル5を待たず、レベル4までに避難を完了してください。警戒レベルは必ず1→2→3→4→5の順に発令されるとは限らず、より高い段階へ直接進むこともあります。
注意警戒レベル3の「高齢者等避難」が出たら、高齢者、妊婦、小さな子ども連れなど、避難に時間がかかる人は避難を始めます。レベル4まで待つ必要はありません。
誤解その4:「警察・役所・在留カードに問題がある」という電話を本物だと思い込む
外国人や高齢者を狙う特殊詐欺が多発しています。よくある手口は、警察・検察官・役所・出入国在留管理庁などを名乗り、「事件に関与している」「在留資格に問題がある」「還付金がある」「荷物から違法薬物が見つかった」と告げ、「秘密にする」「すぐ振り込む」「ATMを操作する」「現金を取りに来る人へ渡す」よう求めるものです。警察庁は、警察が電話で振込を求めたり、LINEへ誘導したりすることは絶対にないと明示しています。「+」で始まる国際電話(令和7年には詐欺に使われた電話番号の約75%が国際電話番号)や、交番の番号のように表示される電話には特に警戒してください。番号は偽装できます(番号スプーフィング)。
注意本当の公的手続きが「今すぐ」「秘密に」「振り込んで」と迫ることはありません。急がせてお金を求める相手は詐欺と考え、いったん電話を切ってから確認してください。
誤解その5:「避難場所」と「避難所」を同じ場所だと思い込む
この二つの日本語は一字違いですが、意味は異なります(2013年の災害対策基本法改正で明確に区別されました)。「指定緊急避難場所」は、災害時にまず命を守るために逃げる場所です(高台、広場、頑丈な建物など)。災害の種類ごとに指定され、地震用・水害用・津波用の場所はそれぞれ異なります。「指定避難所」は、災害後に自宅へ戻れない場合に一定期間過ごすための施設で、学校の体育館などが一般的です。住まいが決まったら、自宅から近い避難場所と、災害の種類ごとに対応する避難場所がどこにあるか確認してください。災害が起きてから探してはいけません。
注意同じ施設が両方の役割を持つこともありますが、当然にそうとは限りません。お住まいの市区町村の指定一覧やハザードマップの表示を確認してください。
地震が起きたら:速報を聞いた/揺れを感じたときの基本行動公式
第一原則:まず身の安全(命を守り、頭を保護する)
気象庁などの基本方針は、慌てて外へ飛び出さず、無理に火を消しに行かず、まずおおむね1分、自分の身を守ることです。
- 室内:机の下に入り、机の脚をつかむ。クッションやバッグで頭を守り、窓や倒れやすい背の高い家具から離れる。
- 机の下に隠れられない場合:低くしゃがみ、頭と首を守ってください。耐力壁または室内側の壁に寄り、吊り下げ照明や本棚を避けてください。
- 揺れが収まってから、火元やガスを確認する。出口を確保し、靴を履いて、割れたガラスなどに注意して行動する。
場所別の対応
- 屋外:落下物、ブロック塀、看板に注意し、建物の壁際から離れる。
- エレベーター内:すべての階のボタンを押し、最寄りの階に停止したらすぐに降りてください(地震時はエレベーターを利用しないでください)。
- 電車・バス内:つり革や手すりをしっかり持ち、乗務員の放送に従う。勝手に線路へ降りない。
- 海辺・川辺:警報を待たず、長い揺れや大きな揺れを感じたら、自分から高い場所へ避難してください(津波のおそれがあります)。
命を守る道具を事前に準備する(災害が起きてから準備しない)
- スマホの緊急速報メール/エリアメールを通常オンにしておく。
- 多言語の防災アプリをインストールしてください。「Safety tips」(国土交通省監修、14言語、緊急地震速報・警報をプッシュ通知)、「NHK WORLD-JAPAN」(多言語の災害ニュース・プッシュ通知)。
- 家の近くにある、災害の種類別の「指定緊急避難場所」と「指定避難所」を調べ、家族で集合場所を決めてください。
台風・大雨:警戒レベルを理解し、レベル4までに避難する変動
警戒レベル1~5の早見表(市区町村の避難情報も確認)
- レベル1:早期注意情報。今後の気象情報や避難情報に注意する。
- レベル2:大雨・洪水注意報など。ハザードマップで避難先と経路を確認し、準備する。
- レベル3 高齢者等避難:高齢者、行動に時間がかかる人、避難に支援が必要な人は、危険な場所から先に避難し、その他の人も準備してください。
- レベル4 避難指示:対象地域の「全員」が危険な場所から直ちに避難してください。必ず避難しなければならない段階です。
- レベル5:緊急安全確保。すでに災害が発生または切迫しているため、直ちに身の安全を確保する。レベル5を待たず、レベル4までに避難する。
重要な注意点
- 警戒レベルは必ず順番どおりに発表されるとは限らず、段階を飛ばして高いレベルが直接発表されることもあります。「まだレベル4ではない」と自分に言い聞かせて避難を遅らせないでください。
- 夜間や、道路がすでに冠水しているときに外へ出るのはさらに危険です。日中、またはレベル3の段階で避難を始めるほうが安全です。水深が膝まであり歩くのが難しい場合は、垂直避難(建物の上階へ移動)に切り替えてください。
- 避難する前に、国土交通省の「重ねるハザードマップ」で、自宅が浸水・土砂災害・高潮・津波のリスク区域にあるか確認してください。
詐欺対策:不審な電話を受けた/金銭を要求されたときの対応公式
すぐに警戒すべきサイン(いずれか1つでも当てはまれば、強く疑ってください)
- 「+」で始まる国際電話や、交番・役所らしい表示の番号(偽装の可能性があります)。
- 警察、検察、役所、入管、宅配業者などを名乗り、事件、在留資格、還付金、違法薬物の話をする。
- 「今すぐ」「今日中に」「秘密に」「家族にも言わないで」と急がせる。
- 振込、ATMの操作(還付金詐欺では、ATMで還付金を受け取るように見せかけて、逆に送金させることがよくあります)、現金やカードを受け取りに来た人への引き渡し、またはLINEへの誘導を求める。
正しい対処
- いったん電話を切る。振り込まない、認証コードや暗証番号を伝えない。公式番号を自分で調べてかけ直し、確認する。
- 警察が電話で振込を求めたり、LINEへ誘導したりしないことを覚えておく。
- 固定電話:国際電話の利用休止はWeb(kokusai-teishi.com)または0120-210-364で申し込めます。要確認 スマホは着信拒否・連絡先以外の着信制限や、携帯会社の迷惑電話対策アプリを使います。
- 被害に遭った、または判断に迷う場合:警察への通報は110(進行中の危険)、警察相談は#9110(警察相談)、消費者トラブルは188(消費者ホットライン)へ。
日本に着いたらすぐにしておきたい「防災・詐欺対策」の準備(留学生の視点)変動
- 賃貸契約や就職前に、国土交通省のハザードマップポータル(disaportal.gsi.go.jp)で住所が浸水、土砂、高潮、津波の危険区域にあるかを確認してください。不動産業者は契約前に重要事項説明をする必要があります。要確認
- 二種類の避難先を区別してください。自宅近くの「指定緊急避難場所」(災害の種類別に指定され、命を守るためにまず避難する場所)と、「指定避難所」(災害後の避難生活を送る場所)を事前に確認し、地図に印を付けておきましょう。
- スマホの備え:緊急速報メールをオンにし、Safety tips(14言語)とNHK WORLD-JAPANを入れる。
- 覚えておく番号:110(警察・緊急)、119(消防・救急)、#9110(警察相談)、188(消費者・詐欺相談)、法テラス多言語情報提供サービス0570-078377(平日9時~17時、10言語)。要確認
- 小さな防災バッグを用意しましょう。水、常備薬、在留カードのコピー/パスポート、少額の現金、モバイルバッテリー、懐中電灯を入れてください。日本では災害時にATMや電子決済が使えなくなる場合があります。
- 日本語の警報が分からない場合は、出入国在留管理庁の「外国人生活支援ポータルサイト」と気象庁の多言語防災情報(14言語)を信頼できる情報源として利用してください。SNSで転送された情報だけを頼りにしないでください。
公式情報の確認先公式
- 気象庁:多言語の防災・気象情報地震、津波、台風、気象警報に関する多言語情報への入口。
- 内閣府:避難情報と警戒レベル警戒レベル、避難指示、最新のガイドラインを確認できます。
- 国土交通省/国土地理院:ハザードマップポータル住所から洪水、土砂災害、高潮、津波などのリスクを確認できます。
- 警察庁 SOS47:特殊詐欺対策詐欺の手口、相談窓口、防犯情報。
- 国民生活センター:全国の消費生活センター消費者トラブル、詐欺、188への相談窓口。
日本語原文ミニ用語集・警報や詐欺の手口に出てくる言葉を理解する公式
- 緊急地震速報きんきゅうじしんそくほう
緊急地震速報:大きな揺れが到達する数秒〜数十秒前に配信される警報。聞いたら、うるさくても切らずに、すぐに頭を守る。
- 津波つなみ
津波:警報が発表されたら、すぐに徒歩で高い場所へ逃げる。家に物を取りに戻ったり、海辺を見に行ったりしない。後から来る波のほうが高いこともある。
- 避難指示ひなんしじ
避難指示(警戒レベル4):対象地域の全員が、危険な場所から直ちに避難しなければならない。「避難してもしなくてもよい」という意味ではない。
- 指定緊急避難場所していきんきゅうひなんばしょ
指定緊急避難場所:災害時に「命を守るために緊急避難」する場所(災害の種類ごとに指定)。以下の「避難所」とは異なる。
- 指定避難所していひなんじょ
指定避難所:災害後に家に帰れない場合に「一定期間過ごす」ための施設(学校の体育館など)。
- 特殊詐欺とくしゅさぎ
特殊詐欺:警察、役所、出入国在留管理庁などを装い、電話で振り込みを促す詐欺の総称。外国人や高齢者が狙われることが多い。
- 還付金かんぷきん
還付金(詐欺の手口):還付金があるとうそをつき、ATMで「操作」するよう誘導する。実際には、あなたのお金を逆に振り込ませる。
場面別の練習・不審な電話がかかってきたとき、こうやって身を守ろう(電話応対の練習)経験
もしもし、こちら市役所の者です。あなたの保険の還付金があります。今日中にATMで手続きしてください。
もしもし、市役所です。保険料の還付金がありますので、今日中にATMで手続きをしてください。
還付金をATMで受け取ることはありません。一度切って、自分で確認します。
還付金を受け取るためにATMへ行くよう求められることはありません。いったん電話を切って、自分で確認します。
今すぐでないと間に合いません。誰にも言わないでください。
すぐに手続きしないと間に合いません。誰にも言わないでください。
急がせて『誰にも言うな』は詐欺の手口です。これで切ります。
急かしたうえに「誰にも言わないで」と言うのは、詐欺の手口です。電話を切ります。
公式の番号に自分でかけ直して確認します。心配なら110番や#9110に相談します。
公式に公開されている電話番号に自分でかけ直して確認します。不安な場合は、110または#9110に電話して相談します。
緊急時の早見表・まずすること・連絡先・してはいけないこと経験
在留カードの紛失・盗難
パスポートの紛失・盗難
アルバイトの給与が未払い
交通事故(自転車 / 自動車)
不審な電話 / SMS(詐欺)
病気になったが日本語がわからない
