まず知っておこう:月々の家賃 ≠ 契約時に支払う金額
地域によっては「敷金1か月・家賃3か月分を前払い」「退去時に敷金全額返還」が一般的ですが、日本にそのまま当てはめると、初月に必要な現金を大幅に少なく見積もってしまいます。国交省『部屋探しガイドブック』によると、民間賃貸の契約時に敷金/礼金/媒介手数料/損害保険料/家賃などを合わせた総額は、家賃の約4~7か月分が目安です目安。つまり、月額家賃 8 万円の物件では、契約日に 32~56 万円を一括で支払うことがあります。
この費用のうち、理論上返金される可能性があるのは一部(敷金)だけです。礼金、仲介手数料、保証料、保険料は、基本的に「戻ってこない」お金です。したがって、準備する際は「到着後初月の一時的な支出」と「毎月の継続的な支出」を完全に分けて計算しましょう。「1か月分の生活費 ×12」のような見積もりで最も大きな間違いは、この初期費用の明細一式を丸ごと見落とすことです。
金額は都市、物件、契約月によって毎年変わります。以下の金額はすべて参考目安です。署名前に重要事項説明書、契約書、初期費用明細を項目ごとに照合し、返金の可否と支払日を確認します。
特に注意したい5つの誤解経験
誤解1:敷金=保証金で、退去時に全額返ってくる
敷金は原則として返ってくるお金ですが、退去時に原状回復費、未払い家賃、残置物の処分費などが差し引かれ、残額が返金されます。ほとんど残らない、場合によっては不足分を払うこともあります。敷金は全額戻るとは限らないと覚えておきましょう。
注意入居当日に部屋の隅々(壁、床、水回りなど)を撮影し、傷や汚れを記録しておきましょう。退去時に「自分が付けた傷ではない」と示す大切な証拠です。初めて日本で部屋を借りる学生が忘れやすい点です。
誤解2:礼金も保証金なので、あとで返ってくる
礼金は大家への謝礼で、返金されません。関東では家賃の1~2か月分が一般的です目安。返ってくる敷金と混同すると、来日直後の部屋探しで予算を誤りやすくなります。
注意礼金なしの物件もありますが、選択肢は限られます。関西では礼金の代わりに「保証金+敷引き」とすることが多く、仕組みが異なります。
誤解3:月々の家賃だけ見ればよい
広告の「家賃」には、毎月かかる管理費・共益費が含まれていないことがあります。契約時には仲介手数料、保証会社の費用、火災保険、前家賃なども必要です。「賃料」だけを見ると、必要な費用を大きく見誤ります。
注意実際の月額負担は「賃料+管理費・共益費」です。入居時にはこれに初期費用一式が加わります。
誤解4:保証会社の費用を払えば必ず入居できる
家賃保証会社を利用して保証料を払えば、審査に必ず通るというわけではありません。在留資格が安定していない、収入を証明できない、日本国内の緊急連絡先がない場合などは、入居審査に通らないことがあります。
注意緊急連絡先(日本人または学校の窓口を求められることがあります)、在学証明書、奨学金や送金の証明などを準備すると、審査に通りやすくなります。大学の国際課や生協が紹介する外国人向け物件も検討しましょう。
誤解5:学生寮/URなら必ず入居期間を通じて最安
学生寮やUR賃貸は初期費用を抑えやすく、URでは礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要です。ただし学生寮は定員や入居期間に制限があり、URの家賃が常に最安とは限りません。あくまで初期費用を抑える選択肢です。
注意民間賃貸を基本に予算を見積もり、学生寮・UR・公的住宅は費用を抑えられる場合の選択肢として考えましょう。最安の例だけで全体予算を決めないでください。
初期費用を一つずつ解説:月額家賃 8 万円の物件で必要な費用変動
敷金(しききん)— 家賃の約1~2か月分目安
敷金にあたる費用で、原則として退去時に原状回復費や未払い家賃などを差し引いて返金されます。国の目安は家賃約2か月分です。関西では「保証金」と呼ぶ場合があります。
- 家賃の0~2か月分を用意する(国の目安は約2か月分)
- 予算表には「一部が返金される可能性あり」と記載する
- 入居日に写真を撮り、入居時チェックリストを保管する
注意点敷金が退去時にそのまま全額戻ると思い込むのは危険です。国土交通省のガイドラインでは、経年劣化や通常損耗は原則として大家の負担です。過剰に差し引かれた場合は確認・相談できます。
礼金(れいきん)— 関東では家賃の約1~2か月分が一般的目安
大家への謝礼で、返金されません。礼金なしの物件もありますが、数は限られます。
- 「礼金ゼロ」「礼金0」の物件を優先して探す
- 礼金は返ってこない一時費用として計上する
注意点関西では礼金の代わりに「保証金+敷引き(退去時に一定額を差し引く)」とすることがあります。関東の感覚で契約すると、想定より多く差し引かれることがあります。
仲介手数料(媒介手数料)— 上限は家賃の1.1倍要確認
不動産会社に支払う費用です。国土交通省の規定では、原則として貸主と借主の合計で家賃の1.1か月分(税込)が上限です。返金されません。
- 見積額が「家賃×1.1」の法定上限を超えていないか確認する
- 仲介手数料が半額・無料になる会社もあるため比較する
- 大学の国際課や生協の提携物件では、免除・割引になる場合がある
注意点家賃だけを見て、この一時費用を見落としがちです。上限は家賃1.1か月分です。それを超える見積もりは確認しましょう。
studyinjapan.go.jp前家賃/日割り家賃 — 約 0.5~1.5 か月分要確認
契約時に前払いする家賃です。日本では通常、家賃1か月分を前払いします。月の途中に入居する場合は、その月の日割り家賃も必要です。
- 月初と月末では、入居初月に必要な現金が大きく変わる
- 可能なら月初に入居し、「日割り家賃+翌月分の前家賃」の重複を抑える
注意点月末に入居すると、当月の日割り家賃と翌月分の前家賃を同時に払うことがあり、初期負担が大きくなります。
火災/損害保険料 — 約 1~2 万円/2 年目安
多くの場合、賃貸契約で加入が必要です。不動産会社が指定の保険を案内することがあります。
- より安い家財保険を自分で選べるか確認する(可能な場合があります)
- 補償額、保険期間(通常2年)、更新時期を確認する
注意点指定保険より安い保険を選べる場合があります。確認せずに案内どおり契約する前に相談しましょう。
鍵交換代 — 約 1~2 万円目安
入居時にドアの鍵を交換する費用です。金額は物件によって異なります。
- 必須かどうか確認する(相談できる場合があります)
- 消臭・抗菌などの追加項目も「これは必須ですか」と確認する
注意点鍵交換、消臭、抗菌などの小さな費用も、合計すると初月の予算を圧迫します。
保証会社の初回保証料 — 家賃の約 35%~50%(2 年)要確認
日本人の連帯保証人がいない留学生は、家賃保証会社を利用する必要があります。初回保証料は家賃の約0.5か月分で、その後も毎年更新料がかかる場合があります。
- 初回保証料と毎年の更新料を確認する
- 入居審査に備え、緊急連絡先、在学証明書、収入や送金の証明を準備する
- 「外国人可」の物件でも、必要書類や審査条件を確認する
注意点保証料を払っても審査に必ず通るわけではありません。在留資格、収入、緊急連絡先などの条件によって断られることがあります。
家具・家電/寝具 — 約 3~15 万円目安
公的な「家賃4~7か月分」という目安には、家具・家電が含まれないことが一般的です。家具のない部屋では、一からそろえる必要があります。
- 物件に家具・家電が付いているか確認する
- 家具のない部屋では、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの購入費を別に確保する
注意点東京大学の住居費の例では、約48万9千円に家具・家電が含まれていません。初期費用とは別に必要な費用です。
実例:同じ「家賃 8 万円」でも、初期費用はどれくらい違う?変動
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| ケース | 初期費用の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 東京・民間のワンルーム(東大の例) | 約48万9千円(家具・家電を除く)要確認 | 東京大学の住居案内の例:家賃8万円、管理費5千円、20㎡の家具なし物件で契約時に約488,580円。敷金・礼金・仲介手数料・保証料・保険料が重なり、家賃約6か月分に近い。 |
| 民間の一般物件 | 家賃の約4~6か月分目安 | 国土交通省の全体目安は4~7か月分。東京23区、礼金あり、保証会社利用、入居日によっては6~7か月分に近づく。 |
| UR賃貸 | かなり低め目安 | 礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要。初期費用は主に敷金2か月分、日割り家賃、共益費。ただし毎月の家賃が最安とは限らない。 |
| 学生寮/国際交流会館 | 最も低めで、敷金・礼金がない場合も多い目安 | JASSOによると、学生寮は通常、敷金・礼金・更新料が不要。ただし定員と入居期間に制限があるため、早めの申し込みが必要。 |
この請求額を抑えるには経験
- まず仮住まいを利用して来日しましょう。在留カード、日本の銀行口座、内見、緊急連絡先などが必要なため、渡日前に民間賃貸の本契約を結ぶのは難しいことがあります。学生寮、マンスリー、シェアハウスなどで生活を始め、落ち着いてから本格的に探す方法があります。
- 大学の国際課や生協が紹介する物件を優先して確認しましょう。外国人が契約しやすい物件は限られますが、学校経由なら機関保証や保証料・仲介手数料の割引を利用できる場合があります。
- 「礼金ゼロ」「仲介手数料無料・半額」の物件を優先して探しましょう。どちらも返金されない大きな一時費用なので、節約しやすい項目です。
- 学生寮は早めに申し込みましょう。光熱費込みで初期費用を抑えられますが、部屋数が少なく、入学時期と入居時期が合わないこともあります。空きがあればすぐ申し込むのがおすすめです。
- 重要事項説明は、契約条件を質問する大切な機会です。宅地建物取引士から原状回復、特約、更新料の説明を受けます。鍵交換や消臭などの項目が必須かどうかも、その場で確認しましょう。
- 契約書の特約に注意してください。「クリーニング特約」「張替え特約」などの一文で、本来は大家負担の費用が借主負担になることがあります。退去時に数万円から十数万円かかる場合もあるため、契約前に確認しましょう。
- 関西では保証金と敷引きに注意しましょう。退去時に部屋の状態にかかわらず保証金から一定額が差し引かれることがあります。関東の感覚で見積もると費用を読み違えます。
公式資料と費用の確認窓口
- Study in Japan / JASSO:住居(Accommodation)初期費用、寮とアパートの違い、敷金・礼金・仲介手数料に関する公式説明。
- Study in Japan / JASSO:生活費(Living Costs and Expenses)全国・地域別の家賃と生活費の平均。比較の基準となる数値です。
- 東京大学:Living Expenses / Financial Procedures東京の一人暮らし用ワンルームの家賃と生活費に関する情報
- 東京大学 Housing Office:引っ越し費用の例(Costs for moving)初期費用約 48.9 万円の例の出典(家具・家電を除く)
契約書に出てくる日本語用語ミニ辞典公式
- 敷金しききん
敷金(預け金に相当):原則として返還されますが、退去時に原状回復などの費用が先に差し引かれ、残額が返還されます。全額が戻るとは限りません。
- 礼金れいきん
礼金:大家さんに支払う謝礼で、返還されません。関東では家賃の約 1~2 か月分が一般的です。
- 仲介手数料ちゅうかいてすうりょう
仲介手数料:不動産会社に支払う費用で、法律上の上限は家賃の 1.1 倍(税込)です。返還されません。
- 保証会社ほしょうがいしゃ
家賃保証会社:日本人の連帯保証人がいない場合に、連帯保証人に代わる保証を提供します。初回保証料と毎年の更新料が必要です。
- 原状回復げんじょうかいふく
原状回復:退去時に部屋を入居時の状態に戻すための費用で、敷金から先に差し引かれます。通常損耗は、国土交通省のガイドラインに基づき、原則として大家さんが負担します。
- 前家賃まえやちん
前家賃:契約時に前払いする翌月分の家賃です。月の途中に入居する場合は、当月分の日割り家賃もかかります。
- 重要事項説明書じゅうようじこうせつめいしょ
重要事項説明書:契約前に宅地建物取引士が対面で説明しなければならない書類です。原状回復、特約、更新料などが記載されており、質問する重要なタイミングです。
会話練習・不動産屋で初期費用について尋ねる(ふりがな付きで音読できます)経験
すみません、お部屋を探しています。留学生でも大丈夫ですか?
こんにちは。部屋を探しています。留学生でも借りられますか?
はい、大丈夫ですよ。ご希望の家賃はどのくらいですか?
はい。ご希望の家賃はどれくらいですか?
この物件の初期費用は、全部でいくらになりますか?
この部屋の初期費用は、全部でいくらですか?
敷金、礼金、仲介手数料を合わせて、家賃の四か月分ほどです。
敷金、礼金、仲介手数料を合わせると、家賃の約 4 か月分です。
日本に保証人がいません。保証会社を使えますか?
日本に保証人がいないのですが、保証会社を利用できますか?
はい。保証会社をご利用いただけます。入居審査がございます。
保証会社を利用できます。入居審査があります。
鍵交換代は必須ですか?保険は自分で選べますか?
鍵交換費用は必須ですか?保険は自分で選べますか?
鍵交換はお願いしています。保険はご相談いただけます。
鍵交換にご協力をお願いしています。保険については相談できます。
