出願書類
教授のプロファイリング:コンタクトの前に一人の教授を読み切る
アポ取りの前に 3〜5 時間かけて候補となる教授一人を「読み切る」ほうが、20 人の教授に同じテンプレートのメールを一斉送信するよりはるかに効果が高い。以下は再現可能な下調べの手順です。
「教授への最初のメール」を送る前に、3 分間で友人に口頭で説明できるようになっているべきです。この教授は何を研究しているのか、最近は何に取り組んでいるのか、なぜこの教授を選んだのか、あなたとこの教授の研究にはどんな接点があるのか。この 3 分が話せないなら、書いたメールも中身のないものになります。
第一層:研究テーマを位置づける
- 教授の個人ページ/研究室サイトの「研究テーマ」または「Research Interests」の項目を読む。
- researchmap で直近 5 年の論文を見て、2〜3 個の「安定したテーマ」と 1〜2 個の「最近の新しいテーマ」にまとめる。
- それぞれのテーマについて、「この教授は何を研究しているか」ではなく「この教授はどんな問いを立てているか」を一文で書き出す。問いはテーマよりも情報量が多い。
第二層:研究室が「生きている」かを見極める
一見立派に見えても、実は店じまいに近い状態の研究室もあり、教授が積極的に学生を取らなくなっている場合があります。次のいくつかのシグナルが判断の助けになります。
- 直近 2 年に新しい成果(国際ジャーナル/学会発表/専門書のいずれでもよい)があるか。2 年連続で動きがなければ要注意。
- KAKEN で直近 3 年に教授が「研究代表者」となっている課題があるか。あれば研究室がまだ動いている証拠。
- 研究室サイトに最近の学生活動/ゼミの記録があるか。ページの最終更新日は粗いが有効なシグナル。
- 教授の年齢:日本の国立大学の定年は通常 65 歳。60 歳超の教授が必ずしも学生を取らないわけではないが、受け入れた後にあなたの学位まで指導しきれるかは確認が必要。
第三層:研究室のエコシステム
- 現在の在籍学生数(博士/修士/研究生がそれぞれ何人か)。少なすぎると「学生を取っていない」かもしれず、多すぎると指導が薄まる可能性がある。
- 留学生がいるか —— 留学生にとても寛容な研究室もあれば、まったく取らない研究室もある。歴代の OB/OG 名簿が最も直接的な証拠。
- 研究室の言語:中心となる議論は日本語か英語か。理工系には完全に英語環境の研究室もある。
- 卒業後の進路:アカデミア/大手企業/外資/起業など。研究室があなたの将来の進路にどれだけ合うかが見えてくる。
第四層:指導スタイル
この層はネット上で掘り当てるのが最も難しいですが、今後 2 年間の体験を最も左右する部分でもあります。優先度は高い順に:
- 研究室の在籍学生/OB を見つけて直接聞く(LinkedIn/学会名簿/知人の紹介、どれでもよい)。
- 教授の共著者ネットワークを見る:後輩と多く共著しているなら学生を育てる意欲がある証拠、単著中心なら独立した研究スタイル寄りかもしれない。
- 研究室のブログ/Twitter に教授本人が活発であれば、学生とのやり取りの仕方を見る。
よくある誤解
- 「この教授は h-index が高い」:h-index は過去の蓄積を反映するだけで、今学生を取っているかは反映しない。
- 「大学ランキングが高いから教授もきっと良い」:大学は平均値、教授は個体。トップ校にも定年間近で留学生を取らない教授はいる。
- 「テーマが定まっていないから、まず連絡してから考える」:テーマが曖昧なときはアポ取りの成功率が極めて低い。まずテーマを 2〜3 個のキーワードに絞ってから動こう。
参考・出典
- researchmap(日本の研究者業績データベース)教授の論文・学会発表・受賞・参加プロジェクトをすべて確認できる。最も重要なデータソース。
- KAKEN(科研費データベース)教授が近年採択された科研費課題を見る。科研費を獲得しているということは、研究室の予算が潤沢で研究も活発である証拠。
- J-GLOBAL予備の検索ツール。あるキーワードで活躍している研究者を逆引きできる。
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