志望理由書
私は、身近な買い物で人が何を基準に支払い方を選ぶのかを学びたく、貴学経済学部経済学科を志望する。きっかけは、通学路にある商店街で、同じ店に現金とスマートフォン決済の利用者が並ぶ様子を見たことだった。支払いが速いかどうかだけでなく、使い慣れた方法への安心感や、店側が用意できる手段も関わるのではないかと考えた。
高校の探究学習では、近所の数店を訪ね、掲示されている決済方法を記録し、許可を得られた店では店員の方に、客から支払いについてどのような質問を受けるかを聞いた。現金を使う人が多いと話す店もあれば、昼休みにはスマートフォン決済を選ぶ客が目立つと話す店もあった。私は店ごとの違いを表に整理したが、訪ねた店は少なく、客の年齢や購入額も確かめていない。この経験から、目にした違いをすぐに一つの理由で説明することの難しさを知った。
そこで、消費者が支払い方法を選ぶときの費用や便利さを、店の導入負担や地域の状況と合わせて考えたい。例えば、利用者にとって便利な方法でも、小さな店には機器や手数料の負担があるかもしれない。反対に、現金を選ぶ理由も年齢だけでは決められない。高校でできたのは問いを見つけるところまでであり、選択の背景を調べ、異なる立場から確かめるための経済学の基礎を学ぶ必要がある。
貴学科では、ミクロ経済学・マクロ経済学などの基礎理論を学んだうえで、経済理論・経済政策・国際経済の三つの科目群から専門性を深められる。私の問いには、個人や店の選択を考える視点と、その選択を取り巻く制度や経済の動きを捉える視点の両方が必要だ。まず基礎を固め、経済理論科目群を中心に学びながら、政策や国際的な決済環境にも視野を広げたい。また、一年次の基礎ゼミナールで文献の読み方や調査、報告の方法を学べる点は、限られた観察を検討可能な問いへ育てたい私にとって大切である。
入学後は、授業で学ぶ理論を身近な事例に当てはめる前に、何を比べればよいかを明確にしたい。基礎ゼミナールでは、先行する資料を読み、調査の仕方と記録の残し方を身につける。さらに、決済方法の選択に関する公的な資料や既存の調査を探し、高校で見た店の違いと照らして、説明できることとまだ分からないことを分けたい。ゼミで他者の意見を聞き、自分の見方を修正することも続けたい。
将来は、利用する人にも店を営む人にも分かりやすいサービスを考える仕事に関わりたい。そのために、便利さだけで一つの支払い方法を勧めるのではなく、誰にどのような負担が生じるかを確かめて判断できるようになりたい。商店街で生まれた小さな疑問を、根拠に基づいて考え直す力へと育てるため、貴学科で学ぶことを希望する。